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SDGs達成に向けた建築手法とは?持続可能な社会をつくるエコ建築の魅力

目次

1. はじめに:建築とSDGsのつながり

SDGsとは?

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年に国連が採択した17の目標で、環境問題、貧困解消、教育の普及など地球規模の課題を2030年までに解決するための指針です。

これらの目標は具体的には以下の通りです。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、使う責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸上の生態系も守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

これらの目標は全てが相互に関連しており、一つの目標が他の目標を達成するための手段となることもあります。また、それぞれの目標は具体的なターゲットを持ち、その達成状況は定期的にモニタリングされています。それぞれの国や地方自治体、企業、市民はこれらの目標に向けて取り組みを進めていくことが求められています。

建築とSDGsがどう関わるのか?

建築とSDGsは、その設計や構築、利用により深く結びついています。まず、建築は社会の基盤となり、人々の生活を直接支える存在です。これがSDGsの目標11「持続可能な都市とコミュニティを実現しよう」につながります。

また、建築物の設計や素材選択、施工方法などにより、エネルギー消費やCO2排出量を削減することが可能です。これはSDGsの目標7「全ての人々にクリーンで手頃なエネルギーを確保しよう」や目標13「気候変動に具体的な対策を」に寄与します。

さらに、建築物のライフサイクル全体を通じて、廃棄物の削減やリサイクル、持続可能な資源の利用を推進することができます。これにより、SDGsの目標12「持続可能な消費と生産形態を確保しよう」に貢献します。

つまり、建築は直接的・間接的に多くのSDGs目標達成に影響を及ぼす重要な分野なのです。

2. SDGsにおける建築の役割と課題

建築が果たすべき役割

建築の役割は多岐にわたります。第一に、エネルギー消費量の削減が挙げられます。建築物は生産や運用、解体に至るまでのライフサイクル全体で多量のエネルギーを消費します。そのため、エネルギー効率の良い建築を行うことで、エネルギー消費の削減につながります。

また、建築は地域の風景や文化を形成し、人々の生活へ影響を与える重要な役割も担っています。そのため、持続可能な社会を実現するための土台作りにもなります。

さらに、建築は気候変動対策とも密接に関わります。建築物から排出される二酸化炭素は地球温暖化の原因の一つであり、省エネルギー型の建築はその削減に大いに貢献します。

これらの役割を果たすためには、エコ建築という観点から設計・施工・運用が求められます。

建築が直面する課題

建築業界がSDGs達成に向けて直面する課題は大きく分けて二つ存在します。

一つ目は、現在の建築物が多大なエネルギーを消費し、CO2排出量が多いという環境負荷の問題です。以下の表に示すように、建築物全体のエネルギー消費量とCO2排出量は全産業の中でも非常に大きい比率を占めています。

項目エネルギー消費量CO2排出量
建築物全体36%39%

二つ目の課題は、持続可能な建築に対する認識不足です。建設業者や利用者が環境負荷の低い建築の重要性を理解し、実践することが求められます。これらの課題を克服することが、SDGs達成に向けた建築の第一歩となります。

3. SDGsに取り組む建築:具体的な手法とそのメリット

環境負荷を減らす建築手法の紹介

SDGs達成に向けて、建築業界でも環境負荷を減らす手法が注目されています。具体的には、「パッシブデザイン」「バイオマス素材の活用」「エネルギー消費の削減」の3つが主な手法として挙げられます。

  1. パッシブデザイン: パッシブデザインとは、自然の力を活用して建築物の温度や湿度を調節する手法です。具体的には、日射を適切に取り込んだり遮ったりすることで、冷暖房負荷を削減します。
  2. バイオマス素材の活用: 再生可能な天然資源である木材や竹などのバイオマス素材を活用することで、CO2の排出を抑えることが可能です。これらの素材は、建築後も室内の湿度を調節し、快適な生活空間を創出します。
  3. エネルギー消費の削減: 建物全体のエネルギー消費を削減するため、省エネルギー設備の導入やLED照明の利用などが進められています。この結果、ランニングコストの削減と共に、地球環境の保護にも寄与できます。

これらの手法を組み合わせて利用することで、より一層の環境負荷の低減が期待できます。

SDGsに取り組む建築のメリット

– 企業イメージ向上・優秀人材の採用

SDGsに取り組む建築は企業イメージの向上に大きく寄与します。特に、環境への配慮が求められる現代社会において、エコ建築を手掛けることは企業の社会貢献活動として認識され、ブランドの価値を向上させます。

また、企業イメージの向上は人材採用にも好影響を及ぼします。次世代を担う若者は特にSDGsや環境問題に敏感であり、そうした価値観を共有する企業への就職意欲が高いと言われています。

表1:企業イメージと人材採用への影響

企業イメージ人材採用
環境配慮によるブランド価値向上SDGsを志向する若者からの就職意欲向上

こうした結果、SDGsに取り組む建築は企業の競争力向上にもつながると言えるでしょう。

– 持続可能なコストカット

SDGsに取り組む建築の大きなメリットの一つが、長期的な視点で見たときの経済性です。特に、エコ建築では省エネや自然エネルギーの使用などにより、維持・運用コストを大幅に削減することが可能です。

例えば、太陽光パネルの設置や、エネルギー効率の高い設備を導入することで、電力コストを大幅に削減できます。また、窓の配置や断熱材の使用などにより、冷暖房費を抑えることも可能です。

以下の表は、省エネ型建築と従来型建築の初期投資とランニングコストを比較した一例です。

初期投資ランニングコスト
省エネ型建築高い低い
従来型建築低い高い

初期投資は省エネ型建築の方が高くなりますが、ランニングコストを長期的にみると、全体のコストは省エネ型建築が低くなることがわかります。これが「持続可能なコストカット」の一例です。

– 新しいビジネスチャンス

SDGsに取り組むことは、新たなビジネスチャンスを創出する可能性があります。例えば、再生可能エネルギーを活用したエネルギー効率の良い建築物の設計や、リサイクル素材を用いた環境負荷の低い建築材料の開発など、従来とは異なるアプローチが求められます。

これらの新しい提案は、市場に新風を吹き込むとともに、企業の持続的な成長や競争力向上につながります。また、環境や社会への配慮が評価される現代において、SDGsに対応したビジネスは顧客からも高い支持を得られるでしょう。

ビジネスチャンスの例詳細
エネルギー効率の良い建築物の設計再生可能エネルギーを活用
環境負荷の低い建築材料の開発リサイクル素材を用いる

SDGsと建築の結びつきは、未来を見据えたビジネスチャンスを広げます。

4. SDGsと各建築目標の関係性

SDGs目標2と建築

SDGsの目標2「飢餓をゼロに」に、建築がどう貢献できるか考えてみましょう。

一つは、建築デザインに食糧生産を取り入れることです。例えば、都市部のビルやマンションに屋上農園や壁面緑化を設計することで、自給自足の可能性を高め、食糧供給に対する依存度を減らすことが可能です。

また、建築材料の選定でも影響を与えます。持続可能な建築材料を使用することで、森林破壊や農地の乱開発を防ぎ、食糧生産に必要な土壌を守る役割を果たせます。

さらに地域の気候や風土に合った建築を行うことで、災害リスクを軽減し、安定した食糧供給の確保に寄与することも可能です。

これらは、「飢餓をゼロに」向けた建築の具体的な取り組み例です。

SDGs目標7と建築

SDGsの目標7は、「全ての人々が手頃で、信頼性、持続可能性、現代的なエネルギーへのアクセスを確保する」というものです。建築においては、以下のような取り組みが求められます。

  1. エネルギー効率の高い建物の設計:断熱材の使用や、風通しを良くすることで冷暖房費を抑えるなど、エネルギー効率を重視した設計が必要です。
  2. 再生可能エネルギーの導入:太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーを活用した建築物の設計や運用が進められています。

以上のようなエネルギー効率を重視した建物の設計や再生可能エネルギーの利用により、建築分野でもSDGsの目標7に向けた取り組みが進められています。

SDGs目標12と建築

SDGsの目標12は「持続可能な消費と生産形態を確保する」です。この目標に建築がどのように貢献できるか考えてみましょう。

まず、建築業界において使用する材料やエネルギーの選択が重要です。再生可能なエネルギーを利用し、持続可能な材料を選択することで、循環型社会に寄与します。また、廃棄物を最小限に抑える設計や工法も重要です。

次に、建築物のライフサイクル全体を考慮した設計も求められます。これには耐久性と効率性が重要で、建物の寿命が長く、必要なエネルギー消費が少ないことが望ましいです。

以下の表は、目標12達成に向けた建築の取り組み事例をまとめたものです。

建築の取り組み
再生可能なエネルギーの利用太陽光発電、風力発電の導入
持続可能な材料の選択地元で生産される材料の使用
廃棄物の削減建設廃棄物のリサイクル、ゼロエミッション住宅
ライフサイクルの考慮建物の耐久性と効率性の追求

5. SDGsに貢献する建築の取り組み事例7選

建築物1:目標1に貢献するボロンタリア・ホーム(インド)

SDGsの目標1「すべての人々が貧困を終わらせる」という視点から、インドのボロンタリア・ホームは注目すべき建築物です。

ボロンタリア・ホームは、地方の住民やボランティアが手作りで建設したコミュニティセンターです。地元の資源を活用し、持続可能な生活環境を提供しています。

主要な特徴:

  1. 地元産の竹や石を使用。これにより環境負荷も抑えています。
  2. ボランティアが手作りで建設。教育やスキルアップの場となり、地元の雇用創出にも寄与しています。

これらの取り組みにより、ボロンタリア・ホームは直接的に貧困の解消と持続可能なコミュニティ作りに貢献しています。この建物は、地域の人々が主体となってSDGsに取り組む好例と言えます。

建築物2:目標3に貢献するマギーズ・センター(イギリス)

マギーズ・センターは、がん患者とその家族が安心して過ごせる場としてイギリスに建設されました。SDGsの目標3「すべての人々が健康で豊かな生活を送れること」に直接寄与しています。

ここでは、自然光がたっぷり入る空間と、自然と一体化した緑豊かな庭園が特徴です。これらは、ストレス軽減やリラクゼーション効果を高める自然療法(ビオフィリアデザイン)の考え方が取り入れられています。

また、施設の運営には地域のボランティアが関与し、患者や家族の精神的サポートを行っています。これにより、持続可能で社会貢献度の高い運営が実現しています。

以下の表は、マギーズ・センターの特徴とSDGs目標3への寄与をまとめたものです。

マギーズ・センターの特徴SDGs目標3への寄与
ビオフィリアデザイン患者のストレス軽減、リラクゼーション効果向上
地域ボランティアの活用持続可能な運営、社会貢献度の向上

これらを通じて、建築が持続可能な社会を実現するための手段として重要な役割を果たしていることが分かります。

建築物3:目標6に貢献するワルカ・タワー(エチオピア)

ワルカ・タワーは、エチオピアの乾燥地帯に建設された水集め塔で、SDGsの目標6「すべての人々が安全で手頃な水にアクセスできること」に貢献しています。

この塔は、地元の材料と伝統的な建築技術を活用し、9メートルの高さがあります。また、乾燥したエチオピアの気候を利用した空気の冷却と凝縮により、霧から水を採取します。

【表】

項目詳細
名称ワルカ・タワー
場所エチオピア
目的水の確保
手法霧採取

一日に最大100リットルの水を供給することが可能で、地元のコミュニティにとって重要な水源となっています。ワルカ・タワーは、持続可能な建築が地域の課題解決に寄与する好例と言えるでしょう。

建築物4:目標13に貢献するコープ共済プラザ

コープ共済プラザは、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の具現化として注目を集めています。この建築物は、太陽光パネルの導入や緑化された屋上庭園など、エネルギー効率を最大限に活用する設計がなされています。

以下に、コープ共済プラザの主な取り組みを表形式でまとめます。

取り組み説明
太陽光パネル全電力の30%を太陽光で賄う
屋上庭園夏場の冷房負荷を軽減
レインウォーターシステム雨水を貯蔵し、トイレの洗浄や散水に活用

これらの取り組みにより、建築物自体が持続可能な社会の実現に貢献しています。環境負荷を低減させつつ、一方で快適な生活空間を提供するこの施設は、SDGs達成への一歩となる建築の魅力を伝えています。

日本の建設企業:清水建設

清水建設は、SDGs達成に向けた社会的責任を重視し、積極的に取り組んでいる企業の一つです。その主な取り組みは「温室ガス削減」、「循環型社会の推進」、「生物多様性保全」の3つとなっています。

まず、「温室ガス削減」では、CO2排出量を削減するために、エコフレンドリーな建築資材の使用や省エネルギー型機器の導入を行っています。これらにより、建築物自体のエネルギー消費を抑え、地球温暖化防止に寄与しています。

また、「循環型社会の推進」では、廃棄物の削減とリサイクルを推進。建築資材の選定から廃棄物の処理まで、ライフサイクル全体で考えています。

最後に、「生物多様性保全」では、自然環境の保全に配慮した建築計画を立案。地域の生態系を破壊しないような建築手法を採用しています。

これら一連の取り組みを通じて、清水建設はSDGsの達成に対して真摯に取り組んでいます。

日本の中小企業:株式会社ユニバーサルデザイン

株式会社ユニバーサルデザインは、日本の中小企業でありながらSDGsに積極的に取り組む事業者の一つです。彼らのビジョンは、「全ての人にとって使いやすい建築空間を提供すること」。これはSDGsの目標11「持続可能な都市とコミュニティを作ろう」に直結します。

主に行っているのは、建築物へのユニバーサルデザインの導入とそれに伴うコンサルティングです。建築物が持つバリアを取り払い、誰もが快適に利用できる環境を作り上げることで、社会全体が持続可能性を向上させられるという考え方です。

また、同社はエコマテリアルの使用を推進しており、こちらもSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」を具現化しています。こうした取り組みを通じて、小規模企業であってもSDGs達成に貢献できることを証明しています。

建築材料:スマートシェード

スマートシェードとは、窓に取り付けて自然光の調節を行う新型の建築材料です。この材料は、熱や光を効率的に制御することで、建物のエネルギー消費を削減する役割を果たします。

具体的には、スマートシェードは日中の過度な日射を防ぎつつ、自然光を室内へ適度に取り入れることで、照明に依存する時間を減らすことが可能です。また、夏季の冷房負荷や冬季の暖房負荷も軽減が見込めます。

以下に、その効果を表にまとめました。

効果詳細
エネルギー消費の削減自然光を活用することで照明時間を短縮
冷暖房負荷の軽減適切な日射防止で室温調節

このように、「スマートシェード」はSDGs達成に向けた建築材料として注目されています。

6. まとめ:SDGs達成に向けた建築の可能性とその魅力

SDGs達成に向けた建築の可能性と魅力は多岐にわたります。その中心には、「環境負荷の低減」があります。省エネルギーなどの環境負荷を軽減する建築手法は、持続可能なコストカットという経済的メリットも生む一方で、企業イメージの向上や新たなビジネスチャンスの創出にも繋がります。

また、SDGsと建築の結びつきは各目標に沿った具体的な取り組みからも見えてきます。各目標を達成するための建築事例を通じて、建築が持続可能な世界を実現するための重要な役割を果たしていることが理解できます。

さらに、SDGsに取り組むことは、企業の社会的責任(CSR)を果たす手段としても認識されています。これらの取り組みは、企業のブランディングに寄与するだけでなく、優秀な人材の採用にもつながる可能性があります。

以上から、SDGs達成に向けた建築は、環境、経済、社会の持続可能性を同時に追求する重要な役割を果たすことができると言えます。

この記事を書いた人

沢田 亜嵐のアバター 沢田 亜嵐 住宅DXラボ運営

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