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【実行予算書の作り方】初心者でも簡単に理解できる!一歩ずつわかりやすく解説

目次

1. 理解する:実行予算とは何か?

(1) 実行予算の定義・役割

実行予算は、組織の一年間の活動を具体的かつ詳細に計画した予算です。一般に、当初予算(一年間の全体の予算)から始まり、特定の期間ごとに見直しを行い、それをもとに実行予算が作られます。

その役割は大きく二つあります。一つ目は、組織内部での目標管理・評価のため。具体的な数字を示すことで、各部門やプロジェクトの進行度を可視化し、必要な修正・改善を促します。

二つ目は、外部とのコミュニケーションツールとして。投資家や金融機関に対し、組織の財務状況や成長性を明確に示すための重要な資料となります。

(2) 基本予算と実行予算の違い

基本予算と実行予算、これら二つはよく混同されがちですが、それぞれ異なる性質と役割を持っています。

基本予算は、主に一年間の経費や収益を予測し、全体の方向性を示す目安となります。予算編成の初期段階で作成され、その年の事業計画や経営方針を示す指標となります。

一方、実行予算は、基本予算に基づき、より具体的な業務遂行のための経費配分を設定したものとなります。これには部門ごとの目標値や月別予算など、詳細な項目が含まれます。

以下の表で二つを比較してみましょう。

項目基本予算実行予算
作成時期予算編成の初期基本予算作成後
目的年間の方向性示す業務遂行のための経費配分
内容全体的な経費、収益予測部門ごと/月別の具体的な配分

これらの違いを理解することは、予算管理における重要な第一歩となります。

2. 必要な理由:実行予算作成の目的

(1) 現場の利益確認

実行予算書は、企業の「現場の利益確認」に欠かせないツールです。具体的には、販売予定の製品や提供サービスが、計画通りに売れて利益を出しているのか、また、その利益が予想通りなのかを把握するために役立ちます。

以下に、実行予算書を利用した利益確認の流れを表で示します。

ステップ内容
1販売予定の製品または提供サービスの売上予算を作成
2実際の売上を確定
3売上予算と実際の売上を比較
4利益の達成状況を確認

このように、実行予算書をもとに、経営者やマネージャーは企業全体だけでなく、各部門やプロジェクトの経済状況を評価し、必要に応じて対策を講じることが可能となります。

(2) 赤字・損失の把握

実行予算書作成の重要な目的の一つに「赤字・損失の把握」があります。これは、企業が作成した予算と実際の運用における差異を明らかにするためです。

例えば、ある部門が年間で100万円の費用を予算として設定し、その内訳を以下のように分けていたとします。

【1】

  • 人件費:40万円
  • 材料費:30万円
  • その他:30万円

しかし、実際の運用で人件費が50万円、材料費が40万円となり、その他が30万円でした。このように予算と実際の運用が異なる場合、赤字や損失が発生します。

【2】

  • 人件費:50万円(+10万円)
  • 材料費:40万円(+10万円)
  • その他:30万円(±0万円)

このように実行予算書を作成することで、予算と実際の運用の差異を明確に把握でき、それに伴う赤字・損失の発見や改善策の検討が可能になります。これは、企業の経営を健全に維持するために必要不可欠な作業です。

(3) 管理能力の向上

実行予算書を作成することで、企業の管理能力が向上します。具体的には、以下の3つの視点が挙げられます。

  1. 予算管理能力: 実行予算書には、業績目標や必要な資源などを詳細に記載します。これにより、予算の策定と運用の両方を管理する能力が育まれます。
  2. プロジェクト管理能力: 各プロジェクトの予算と実績を見える化することで、進行しているプロジェクトの効率性や収益性を把握し、改善策を考える能力が鍛えられます。
  3. 意思決定能力: 予算と実績の差異分析により、経営上の問題を早期に発見し、必要な対策を講じるための意思決定能力が高まります。

これらの管理能力は、企業の業績向上に直結します。実行予算書の適切な活用により、経営上の課題を解決し、企業成長を実現させましょう。

3. 作成方法:実行予算書の具体的な作り方

(1) 必須の記載項目

実行予算書の作成においては、具体的な数値や計画を明確にするために以下の項目が必要となります。

  1. 「期間」:予算対象となる期間を明記します。例えば、年度単位であれば、その年度の始まりと終わりの日付を書きます。
  2. 「部門」:対象となる部門やプロジェクト名を記載します。予算は部門ごとに作成されることが一般的です。
  3. 「費用項目」:人件費や経費、設備費など、どのような費用を予算対象とするかを列挙します。
  4. 「予算額」:各費用項目に掛かる予定の金額を記述します。これは具体的な計画値です。
  5. 「根拠」:予算額を設定する根拠となったデータや考え方を記述します。

これらの項目を記載することで、実行予算書としての役割を果たします。また、これらの情報が揃って初めて予算の進捗を確認し、適切な管理を行うことができます。

(2) 実行予算書の作成手順

実行予算書の作成は計画的に進めることが重要です。以下、具体的な手順を示します。

  1. 目標設定:まず、期間ごとの売上目標、利益目標を設定します。これらは経営計画や事業計画に基づきます。
  2. 予測:次に、設定した目標達成に必要な売上数量、生産数量を予測します。市場調査や過去のデータを基に予測を立てます。
  3. 計算:必要な原材料、人件費等のコストを計算し、それをもとに実行予算を算出します。
項目内容
売上目標〇〇万円
利益目標〇〇万円
必要売上数量〇〇個
必要生産数量〇〇個
原材料費〇〇円
人件費〇〇円
実行予算〇〇円
  1. 作成:上記の各データをまとめ、実行予算書を作成します。形式は会社や組織で異なりますが、一般的には表形式で作成します。

以上が実行予算書の基本的な作成手順となります。明確な目標設定と、しっかりとした予測が成功の鍵となります。

(3) 実行予算の内訳・目標設定

実行予算の内訳とは、具体的にどのような経費がどれくらいかかるのかを明確に分類することです。一般的に、人件費、原材料費、設備費、販売費、一般管理費などが含まれます。以下に一例を表にまとめました。

分類予算
人件費500万円
原材料費300万円
設備費150万円
販売費100万円
一般管理費50万円

次に、各項目の目標設定を行います。これは予算を設定する際の目安となり、経費削減のための具体的なアクションプランを策定するためにも必要です。目標設定は現状の数字をもとに、現実的な範囲で設定しましょう。これらが実行予算の内訳・目標設定の一部となります。

4. 注意点:実行予算作成時のポイント・注意点

(1) 設計数量と所要数量の設定

実行予算作成時に必要不可欠なのが「設計数量」と「所要数量」の設定です。これらは予算を具体的に把握し、コントロールするための重要な指標となります。

設計数量とは、販売予定の商品やサービスの供給量を予測することです。売り上げ目標や市場調査を基に設定しましょう。

一方、所要数量は、設計数量を実現するために必要な原材料や人手、設備の使用量を計算することです。具体的には、以下のようになります。

項目内容
原材料設計数量×原材料使用率
人手設計数量×人件費率
設備設計数量×設備使用率

これらを正確に設定することで、必要な資源とコストを把握し、効率的な運営を目指すことが可能となります。

(2) 材料ロス率の設定

実行予算作成時には、材料のロス率の設定も重要なポイントとなります。生産プロセスにおける材料の損失分を具体的に想定し、それを予算計上することで、より現実的な経費見積もりが可能となります。

具体的な設定方法は以下の通りです。

  1. 材料ごとの平均的なロス率を過去のデータ等から算出します。
  2. そのロス率を元にした追加の材料費を計算し、予算に反映させます。

例えば、材料Aを100kg使用する予定で、そのロス率が10%だった場合、実際には110kgの材料Aが必要となります。このように、事前にロス分を考慮して予算を組むことで、適切な経費管理が可能となります。

(3) 予算実績の管理

予算実績の管理は、実行予算書作成の重要なポイントです。ここでは、予定した予算と実際に生じた結果を比較し、その差分を確認します。

この管理により、どの部分が予定を超えてしまったのか、または予算以下で済んだのかを把握することが可能となります。

例えば、以下のような表を作成し、予算と実績を比較することで見直しや改善のポイントを見つけると良いでしょう。

予算実績差分
材料費100万120万+20万
労務費200万180万-20万
その他50万60万+10万

この結果をもとに、原因分析を行い次回の予算設定に反映させることで、更に精度の高い予算管理が可能となります。

5. 効率化:効率的に実行予算書を作るためのツール紹介

実行予算書を効率的に作成するために、利用可能なツールをいくつかご紹介します。

まず、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトは、予算作成の基本ツールとなります。これらは、計算やグラフ作成、データの整理といった幅広い機能を持ち、自身でテンプレートを作成することも可能です。

例えば、次のように設定できます。

予定売上数実績売上数差分
1月
2月

また、財務管理ソフトやクラウド型の会計ソフトも実行予算作成に役立つツールです。これらは、自動計算機能や予算管理機能を持ち、時間の節約や精度の向上に寄与します。

具体的なツールとしては「freee」や「MoneyForward」などがあります。これらは、初めての方でも操作が容易にできるようになっています。

このように、適切なツールを選び利用することで、実行予算書の作成をスムーズに行うことができます。

6. まとめ:実行予算書作成の重要性とその方法

本記事では、「実行予算書の作り方」について解説しました。実行予算は、企業の適切な運営を支え、計画的な経営を可能にします。逆に言えば、適切な実行予算書がなければ、企業の運営が乱れる可能性もあります。

具体的には、実行予算書は以下のような効果をもたらします。

  • 利益確認:現場の収益性を具体的に把握できます。
  • 損失把握:赤字や損失を早期に発見し、対策を立てることが可能となります。
  • 管理能力向上:具体的な数値目標により、管理能力が向上します。

このように実行予算書は、企業の健全な経営を維持するために不可欠なツールです。必要な記載項目、作成手順、注意点等を理解し、適切な実行予算書作成に取り組みましょう。

この記事を書いた人

沢田 亜嵐のアバター 沢田 亜嵐 住宅DXラボ運営

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