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プロジェクト成功のカギ!施工写真の撮り方と活用方法

目次

1. はじめに

建設プロジェクトを進行させる中で、施工写真の撮影は欠かせない作業の一つと言えるでしょう。これらの写真は施工の進捗を詳細に記録し、いざという時に重要な証拠となるだけでなく、プロジェクトの進行状況を共有し、関係者全員が同じ理解を持つためのツールとしても用いられます。

しかし、どのような写真をどのタイミングで撮影すればよいのか、また、撮影した写真はどのように管理し、活用すればよいのかという具体的なノウハウを持っている方は少ないかもしれません。

本記事では、施工写真の目的から撮影方法、管理・保管方法、そして活用方法までを総合的に解説します。これを読めば、より効果的な施工写真の撮影と活用が可能となり、プロジェクト成功への一歩が近づくことでしょう。

2. 施工写真(工事写真)の重要性と目的

(1) 工程記録

施工写真は、何よりもプロジェクトの進行具体性を把握するための「工程記録」になります。それぞれの工程で何が行われ、どのような順序で進んでいるのか、写真に記録することで視覚的に把握しやすくなります。

例えば、建築現場では以下のようなステップごとに写真を撮ることが一般的です。

  1. 地盤改良工事
  2. 基礎工事
  3. 上棟工事
  4. 外装工事
  5. 内装工事

これらの施工写真は、工事の進行状況を詳細に記録し、必要に応じて関係者に報告するための資料として活用されます。特に問題が発生した際には、工程記録から原因を特定し、対処策を策定する上でも役立ちます。

(2) 使用材料の確認

施工写真は、使用した材料の確認にも役立ちます。例えば、特定の施工部分で使用する塗料や部品などが品質基準を満たしているか、正しい製品が使用されているかを証明するためには、それぞれの材料の写真が必要です。

具体的には、材料のパッケージやラベルには、製造元や製品名、規格などの情報が記されています。これらの情報が写真に含まれていれば、後から確認することが可能になります。

また、材料の施工前後の様子を比較することで、適切に施工が行われたかを判断することも可能となります。

施工前施工後
塗料缶の写真塗装された壁の写真
部品の写真部品が取り付けられた状態の写真

施工写真は、それだけでなく、建設現場の様子や作業員の安全対策なども把握するのに有効なツールとなります。

(3) 施工後目視できない部分の確認

施工写真では、工事が完了したあとで目視できない部分を確認することも重要な役割の一つとなります。この機能は、特に配管や電線、断熱材といった内部構造に関する工事を行った際に有効です。

例えば、壁の中に配管が配置された状況を想像してみてください。施工後は壁で覆われてしまうため、目視での確認は困難となります。しかし、施工中に該当箇所の写真を撮っておけば、後からでも確認することが可能です。以下の表はその記録例を示しています。

施工部位施工日写真ID備考
壁内配管2021/06/01001パイプの位置確認

施工写真を活用すれば、後日必要となった際にもスムーズに情報を取り出すことができます。これにより、問題が発生したときの調査時間の短縮や、資料としての価値も高まります。

(4) 適切な施工が行われたかの証拠

施工写真は、工事が適切に行われたかの確認にも重要な役割を果たします。工事の進行状況を可視化することで、施工不良や手抜き工事を防ぐことが可能となります。

例えば、以下のような施工段階での撮影が求められます。

  • 基礎工事完了時
  • 配管・電気工事完了時
  • 内装工事完了時
  • 最終完成時

これらの写真は、工事の各段階で適切な施工が行われたかを検証する証拠となります。また、問題が起きた際には、原因調査の手がかりにもなります。

施工写真はただ撮影するだけではなく、その後の管理が重要です。適切な管理を行い、必要な時にすぐに参照できるようにすることで、施工写真の価値を最大限に引き出すことが可能です。

3. 施工写真の上手な撮り方

(1) 撮影計画を立てる

施工写真を有効活用するためには、まず的確な撮影計画を立てることが重要です。計画を立てる際、最低限確認すべきポイントは、何を、いつ、どの角度で撮影するかという基本的な3つです。

まず、「何を」撮影するかの部分では、工程の進行度合いや重要な施工箇所を中心にリストアップしましょう。工事の進行に合わせて撮影対象は変化するため、定期的にリストの見直しも必要です。

次に「いつ」撮影するかですが、工程表と合わせて考えることが一番効果的です。重要な工程が始まる直前や終了直後のタイミングが最適でしょう。

そして最後に、「どの角度で」撮影するかです。これは、同じ箇所でも撮影角度により情報量や視認性が大きく変わるため、事前にしっかりと計画を立てましょう。

以上のように、撮影計画を立てることで、施工写真から得られる情報量を最大限に引き出せるようになります。

(2) 5W1Hがわかるような構図にする

施工写真を撮る際の一つのポイントは、その写真一枚から5W1H(Who, What, Where, When, Why, How)が理解できるような構図を心掛けることです。

例えば、「Who」は施工者を、「What」は施工内容を、「Where」は施工場所を、「When」は施工日時を、「Why」は施工理由や目的を、「How」は施工方法を意識して撮影します。施工内容(What)と施工場所(Where)は、黒板やホワイトボードを用いて文字情報として写真に含めると良いです。

以下に具体例を表で示します。

5W1H写真に含める内容
Who施工者
What施工内容(黒板などで記載)
Where施工場所(黒板などで記載)
When施工日時
Why施工理由、目的
How施工方法

こうすることで、写真一枚を見ただけで該当の工事の概要が把握でき、効率的な施工管理が可能となります。

(3) 黒板の内容がわかるように撮影する

施工写真を撮る際の大切なポイントとして、「黒板の内容がわかるように撮影する」ことが挙げられます。黒板には、撮影日時、場所、施工内容などの詳細情報が記載されるため、その情報が鮮明に見られるようにすることが重要です。

具体的には、以下のような手順で撮影を行います。

  1. 撮影前に、黒板の情報が正確であることを確認します。
  2. 黒板を撮影する際は、直接正面から撮るようにします。斜めから撮ると文字が歪んだり見づらくなる可能性があります。
  3. 光の反射を避けるため、自然光を活用するか、フラッシュを適切に使用します。

このようにして撮影した施工写真は、後日詳細な確認や記録として使うことができます。正確な情報伝達のためにも、黒板の内容が一目でわかるような撮影を心掛けましょう。

(4) 不要なものは映さない

施工写真は専門性を伴う場面を記録する重要なツールですが、その撮影においても効果的な方法があります。その一つが「不要なものは映さない」というポイントです。

施工写真は、工事の進行状況や使用材料、施工後の確認など厳密な情報を伝えるために利用されます。そのため、写真内に不要な情報やノイズが入り込むと、本来伝えるべき重要な情報が見えづらくなり、写真の価値を下げてしまいます。具体的には、背景に映り込んだ不要な道具や、作業者の私物、他の作業現場などが該当します。また、安全上問題のある行為が写り込まないように気をつけることも重要です。

写真撮影時には、主要な部分だけをクリアに捉え、余計な要素は極力排除することで、より専門的で価値の高い施工写真を撮影することができます。

4. 施工写真の管理・保管方法

(1) 紙面でのファイリング

施工写真の管理・保管方法の一つとして、古典的な「紙面でのファイリング」があります。この方法は、デジタル化前から使われてきた伝統的な手法で、施工写真をプリントアウトし、専用のファイルやアルバムに整理する方法を指します。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. 施工写真を撮影後、現場や事務所でその日のうちにプリントアウトします。
  2. プリントアウトした写真には、撮影日、撮影者名、撮影箇所等の情報を明記します。
  3. 明記した情報と共に、専用のファイルやアルバムに挿入します。

この方法のメリットは、いつでも直接写真を見ながら詳細を確認できる点と、電子データにない”手触り”や”存在感”があることです。一方、デメリットは取り扱いに手間がかかること、また紙という物理的なスペースを必要とします。これらを考慮し、現場の状況に応じて最適な方法を選択することが求められます。

(2) エクセルで台帳作成

エクセルで施工写真の台帳を作成する場合、まずは必要な項目を設定します。具体的には、写真の撮影日、撮影者、撮影場所、その他メモなど、後から確認しやすいように詳細な情報を記載します。

例えば以下のように表を作成します。

写真ID撮影日撮影者撮影場所メモ
0012022/01/01山田現場A基礎工事

次に、エクセルの「ハイパーリンク」機能を利用して、該当する写真に直接リンクを貼ると、より便利に管理することが可能です。この手法を活用すれば、エクセル上で写真の一覧と詳細情報を一目で確認することができ、必要な情報を素早く取得することが可能です。

また、台帳は定期的に更新・保存を行い、データの紛失を防ぐよう注意が必要です。エクセルでの台帳作成は、単純作業ではありますが、非常に重要な施工写真管理の一部となります。

(3) オンラインストレージ

施工写真の管理には、オンラインストレージが有効な方法です。これはインターネット経由でデータを保存するサービスで、パソコンやスマートフォンからいつでもどこでもアクセス可能です。Google DriveやDropboxなどが有名です。

まず、施工写真をデジタル化し、具体的なファイル名やフォルダ名をつけて整理します。例えば、「[工事名][撮影日][撮影場所]」といった形式にすると、後から該当の施工写真を検索しやすくなります。

次に、これらをオンラインストレージにアップロードします。複数人で共有したい場合、共有設定を行うことでチーム内での情報共有が可能となります。

しかし、注意点として、データが破損したり紛失したりするリスクを避けるため、頻繁にバックアップを取ることが重要です。また、セキュリティ面も考慮し、パスワードの設定など適切な管理を行いましょう。

(4) アプリ

アプリを利用した施工写真の管理は、最新の技術を駆使したエフォートレスな手段です。特に、スマートフォンやタブレットが手元にあれば、いつでもどこでも簡単にアクセスできるのが大きな利点と言えます。

施工写真管理アプリは、撮影した写真を直接アップロードし、プロジェクトごとや日付ごとなど、さまざまな方法で整理することが可能です。また、タグ付け機能を利用すれば、特定の写真を素早く見つけることも容易になります。さらに、一部のアプリでは、写真に対してコメントや注釈を加えることも可能であり、情報の共有や伝達がスムーズに行えます。

アプリの選択には、インターフェースの使いやすさやデータ容量、セキュリティ面も考慮すべきです。多くのアプリが無料で提供されていますが、より高度な機能が必要な場合は有料プランを検討すると良いでしょう。これらのアプリを適切に活用することで、施工写真の管理が一層効率化され、プロジェクトの進行をよりスムーズに進めることが可能となります。

(5) 業務効率化ソフト

業務効率化ソフトは、施工写真の管理・保管を一層スムーズに行うツールの一つです。これらのソフトは、写真の整理、ラベル付け、検索、共有までを一手に引き受け、作業の手間を大幅に削減します。

例えば、「Evernote」や「Google フォト」などは、タグ付け機能を活用し、必要な施工写真を即座に見つけ出すことが可能です。また、’Dropbox’のようなクラウドストレージソフトは、大量の写真データを安全に保存し、いかなるデバイスからでもアクセス可能にします。

さらに、’Slack’や’Trello’のようなプロジェクト管理ソフトは、施工写真をチーム全体で共有し、リアルタイムで情報を更新することができます。

以下の表は、その一部をご紹介します。

ソフト名特徴
Evernoteタグ付け、検索が容易
Google フォトAIによる自動整理・分類
Dropbox大量データの安全な保存・共有
Slackリアルタイム情報共有
Trelloプロジェクトの進捗管理

これらの業務効率化ソフトを活用することで、施工写真の管理・保管が容易になり、プロジェクト全体の効率化に繋がります。

5. 施工写真を活用するためのツールと技術

(1) 電子黒板の利用

電子黒板は、施工写真の活用に欠かせません。これは、写真に必要な情報を直接書き込むことができるツールで、撮影日や撮影者、撮影場所といった基本的な情報から、施工詳細や現場の状況について詳細に記述することが可能です。

具体的な利用方法は以下の通りです。

  1. 写真撮影後、電子黒板アプリを開きます。
  2. 撮影した写真を選択し、黒板に表示させます。
  3. 必要な情報を手書きまたはテキスト入力で記入します。

この方法で、全ての施工写真に統一性を持たせ、見返した際に具体的な内容が分かりやすくなります。また、電子黒板によって記入された情報は変更が難しいため、施工の証拠としても有効です。

(2) 工事写真台帳アプリの利用

工事写真台帳アプリは、施工写真の管理と活用を一層手軽に、効率的に行うためのツールです。特に、現場で撮った写真をリアルタイムで共有し、適切なアーカイブと整理が可能です。

具体的な使い方は次の通りです。

  1. 写真撮影: アプリを開き、設定した項目に従って写真を撮ります。撮影後には必要なメモを付け加えることも可能です。
  2. 保存・共有: 撮影した写真は自動的にクラウド上に保存されます。チームメンバーとの写真の共有が即座に行え、リアルタイムの情報共有が可能です。
  3. 検索・閲覧: 保存された写真は日付、工程、場所などの項目で検索可能です。過去の施工情報を容易に追跡できます。

以上のように、工事写真台帳アプリを活用すれば、施工写真の管理と活用が格段に楽になります。

6. プロジェクト成功に繋がる施工写真の活用方法

施工写真は、プロジェクト成功に直結します。その活用方法を以下に示します。

  1. 定期的な確認会議: 施工の進行状況を写真を元に共有し、メンバー同士で情報を一致させることで、誤解やトラブルを未然に防ぎます。
  2. 工事不具合の早期発見: 写真から不具合箇所を早期に発見し、修正することで時間とコストのロスを防ぎます。
  3. アフターフォロー: 施工後のメンテナンスや改修時に、施工写真を参照することで、施工箇所や使用材料を把握し効率的に作業を進めます。
  4. 営業ツールとして: 成功したプロジェクトの施工写真は、顧客への提案時やホームページに掲載するなど、営業ツールとして活用可能です。これにより企業の信頼性向上や新規顧客獲得に繋がります。

以上のように、施工写真の活用は多岐に渡り、プロジェクトの成功に大きく貢献します。

7. まとめ

本記事では、施工写真の重要性から撮り方、管理・保管、活用方法に至るまでを詳しく解説しました。適切な施工写真は、工程の記録、使用材料の確認、隠れた部分の確認に至るまで多岐に渡る目的を果たします。また、撮影計画の立案から構図の工夫、不要な内容の排除と、その撮影方法も重要です。そして、効率的な管理・保管を実現するために、紙面ファイリングやエクセル台帳作成、オンラインストレージ、アプリ、業務効率化ソフトの活用が推奨されます。さらに、電子黒板や工事写真台帳アプリなどのツールと技術を活用することで、施工写真を最大限に利用することが可能です。これら全てがプロジェクト成功に繋がる重要な要素となります。

この記事を書いた人

沢田 亜嵐のアバター 沢田 亜嵐 住宅DXラボ運営

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